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12/31/2006

テムズの花火

 元日は和食のつもりで準備をしていました。おせち料理といえるほどの材料は入手できなかったのですが、できるだけ和食らしいものを作るつもりでした。もっともどんなにがんばって料理をしても、重箱はもちろん和風の食器もそろっていません。

 それでもいちおう正月用のつもりでいろいろと用意をしたつもりだったのですが、結局、今日作った分はほとんど今日のうちに食べてしまいました。どうもみんなの食欲を見くびっていたようです。

 夕食後、テムズの河畔に繰り出しました。カウントダウンの花火があるというので、エンバンクメントの駅から河畔に至る道はどこも人だかりで、人波にのっている限り道に迷う心配もありません。

 11時ごろ河畔に到着したときにはすでに川岸には何重にも人が群がっていました。適当な場所を見つけ、仲間と一緒にたたずんで待つうち、人の群れはさらに厚く重なっていきました。

 ロンドンアイは虹のごとく色を変え、ちょうどその左に位置するビルの壁面がスクリーンの役割を果たし、映像が投影されていました。そして11時40分くらいから5分おきくらいに年が変るまでの時間が表示され、そのたびに群衆から歓声が沸き起こるのです。

 1分前からは秒刻みに残り時間が表示され、年が明けた瞬間から大量の花火が上がりました。花火はロンドンアイのすぐそばから打ち上げられているのですが、ロンドンアイ自体から噴出しているものもありました。イギリスで2度目の年越しです。テムズの河畔でロンドンアイとビッグベンを見ながら年を越すのは、もしかすると最初で最後かもしれません。

 去年、バースでは大聖堂の広場で年を越した直後から、相手の見境もなく、皆がお互いに抱き合い、キスをしていました。クラスメートからは、せっかくキスができるチャンスなのに、なにやってるの、たくさんチャンスを逃しているよ、などと言われていました。ロンドンでは、一部の人が嬌声を上げてはいるものの、大半の人は節度を保っていました。

 花火が終わると群集全体が移動を始めます。通りが人で埋め尽くされ、決まった方向以外に歩くことはほぼ不可能です。イギリスでこれほどの群集を見るのは初めてです。携帯電話で友達にメッセージを送りたかったのですが、電波が錯綜しているのか、うまくいきませんでした。

 駅に近づくと群集の動きはますます緩慢になります。酔っているらしい女性が大声で、みんな、私を持ち上げてよ、そして前のほうに運んでよ、などと叫んでいます。誰も相手にしてくれず、次第にいらだってきた彼女は、罵言を吐きながら、自分の周りの人にひとりずつ声をかけ始めます。私も肩をつかまれ声をかけられました。

 動きの止まった群衆の中で耐えているうちに、雨が降り出してきました。チャリングクロスの駅の表示はすぐそこに見えているのですが、駅に入ることができません。駅の入り口で、蛍光色の制服を着た警官が、群集を誘導しています。女性のひとりが、突然、若い警官に熱いキスをしました。彼は多くの視線を集め、頬を紅潮させていました。

 ようやく駅に入場すると、構内は意外に空いていました。切符売り場はさぞかし混雑しているだろうと想像していたのですが、今日は地下鉄は無料です。

 午前3時くらいまで地下鉄に乗れないという噂も聞いていたのですが、2時には友人たちを連れてフラットに帰ることができました。年越し蕎麦を作るには遅すぎます。オーブンで餅を焼いて食べました。

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Comments

ロンドンの花火はすごいですね!!バースとは大違い。。
来年の年越しは私もロンドンのイベントに参加したいものです。

Posted by: リナ | 01/02/2007 at 09:32 AM

初めてコメントをします。現在イングランド北東部で翻訳・通訳の勉強をしている者です。
石塚さんのブログは私の進路でも参考になることがたくさん載せられていて、以前から拝見させて頂いておりました。年末は私もロンドンの友達の寮にいて、同じくテムズ川に行こうと考えていました。生憎風邪を引いてしまい、断念しましたが、部屋から花火の音が聞こえて感激しました。
長々と失礼しました。ブログ、いつも楽しみにしています。

Posted by: miki | 01/02/2007 at 11:23 PM

リナちゃん

おかえりー。年越しはKちゃんたちと一緒だったらしいね。クリスマス・プロジェクト、がんばって!また飲みに行きましょう。

Posted by: 石塚 | 01/02/2007 at 11:57 PM

mikiさん

全然長くないですよ。読者数の割りにコメントが少ないので、常に寂しい思いをしています。コメント、大歓迎です!
イングランド北東部というと、あそこですね。ということは、2年コースの1年目の方ですよね。また来年、音だけでなく目でも見てください。後半の授業が始まるまでに体調が戻るといいですね。
実はこのブログ、まもなく終了予定なのですが、またよろしく。

Posted by: 石塚 | 01/03/2007 at 12:02 AM

たびたびコメントさせて頂きます。
そうです、あの2年コースの1年目です。先日の石塚さんの日記にニューカッスルのことがチラッと載っていたのでドキッとしました。
お気遣いありがとうございます。通訳には声が命だとつくづく思いますね。
ところでコメントで知ったのですが、もうすぐ帰国されてしまうのですか?実は、もう少しいらっしゃると思っていたので、またいつかロンドンに行く際にはお話を聞かせて頂けないかと思っていたのです。。プロフィールの所にEメールアドレスが載っていますが、メールさせて頂くことは可能でしょうか?

Posted by: miki | 01/03/2007 at 04:44 PM

mikiさん

実はビザの有効期限が2月末なんです。限られた時間の範囲でできることはやり、それなりの成果はあったと思っています。今はいつでも帰国できる状態です。ロンドンでの最後の時間を楽しめればそれで十分です。
都合が合えば、お会いすることは可能ですが、実際に会うと印象が違うかもしれませんよ。でも、ニューカッスルは遠いですね。
今のバースの学生でよければ、ご紹介することは可能だと思います。ちなみに上のコメントのリナちゃんがぼくに会う前の印象は「おとなしいサラリーマン」だったそうです。
もちろんぼくへのメールも問題なしです。ブログでのメールアドレスの公開を今後どうするかは未定です。

Posted by: 石塚 | 01/04/2007 at 12:56 AM

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