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11/30/2006

Asian Games 001

 ドーハに到着しています。まだ仕事は始まっていませんが、ここにいたるまでにさまざまなトラブルに見舞われています。前夜はすわパスポート紛失かと大慌てし、出発5分前に修士論文の校正者と連絡をとり衝撃の事実に直面し、空港では歯磨き粉、保湿クリーム、制汗剤を没収され、ホテルのチェックインには30分以上を費やしました。

 アジア大会の通訳者登録にも手間取りました。最初は私の名前に綴りのミスがあり、それを直して身分証明書を発行してもらったところ、ユニフォームは要らないことになっていると言われ、身分証明書を確認してみたところ、肩書きが気象予報官になっており、通訳者に直してもらったところが、まだユニフォームをなかなか配給してもらえず、なんとか配給所にたどり着いたところが適切なサイズがなく、結局、大きすぎるユニフォームで2週間以上の任務をこなすことになりそうです。

 今日は、通訳者のミーティングがあり、各国、各言語の通訳者の方々と顔合わせをしました。日本語通訳は私を含め4名ですが、そのなかにはバース大学MAITの先輩もおられました。この方はもともとフランス語が母語のようです。初めてアラビア語、韓国語の通訳者の方々ともお会いしました。

 滞在しているのはカタール最大のホテルだそうです。アジア大会にあわせて新築したホテルのようで、まだ工事の残っている部分もあるようです。ホテルの部屋はやたら広々しています。バースの大学寮の4倍以上はありそうです。決して豪華ではないのですが、大きさだけはホテル全体が宮殿のようです。移動はすべて運転手付きのクルマなので、自分がどこにいるのかよく分かりません。食事等もすべて支給なので、カタールに入国してから、まだまったく自分のお金を使っていません。

 インターネットを使える場所には不自由するかもしれません。ホテルにビジネスセンターがあり、そこに数台のPCがあるのですが、まだその存在を知らない人が多そうです。けれども、この場所の周知が進めばPCの奪いは避けられそうにありません。そうなるとメールチェックもろくろくできなくなる可能性があります。

 明日はまだ競技がないようで通訳者全員の休日だそうです。準備不足を補いつつ、翻訳の仕事を進めたいところです。けれども最初で最後の休日になりそうなのでMAITの同期の連中と一緒に町に繰り出す予定もあります。

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11/27/2006

さわらぬ神

 もしかするともう二度と行くことはないかもしれないと思っていたバース大学のキャンパスに行ってきました。論文の修正はそれほど大掛かりにならずにすみそうです。指導教官が言うには、半日くらいですむとのことですが、おそらく3日くらいはみたほうがいいでしょう。

 ひさびさのキャンパスは、売店のつくりなどに去年とは違う点がありました。携帯に電話があり、カタールのビザをメールで送ったので確認してほしいという連絡がありました。けれどももう大学の図書館を使うことはできません。いちおう受付で交渉してみたですが、どうにもなりません。仮に入館できたとしてもPCは使用できません。

 それでもバースの友人たちは突然の訪問にもかかわらず時間を割いて相手をしてくれたので、帰りの電車に乗る寸前まで楽しく過ごせました。

 電車の座席は進行方向と逆向きでした。こうした場合、目を瞑れば前に向かって走っているような気分になれるという生活の知恵は、つげ義春の「ねじ式」で学んだものですが、私の目の前の座席に座った女性のせいで、ゆっくり眠っている余裕はありませんでした。

 彼女はワインを1本、車内に持ち込んでおり、ボトルに口をつけてひとりであおっていました。そしてときどき憤懣やるかたないという様子で、そのボトルをテーブルに強く叩きつけるのです。

 なにか命あるものを叩き潰そうとするかのようなその音は、あきらかに周囲の意識を集めていました。失恋でもしたのでしょうか。40代と思しき彼女は小奇麗な格好で化粧もしていました。ときどきテーブルに突っ伏したりしながら、彼女はワインを1本ひとりであけてしまいました。

 ボトルが空になると彼女の態度はいっそう荒れてきました。テーブルを激しく叩いたり、窓に頭を打ち付けたりし始めました。

 やがてガラスの割れる音がし、大きな破片が私の足元まで飛んできました。私が思わず席を立つと、彼女がこちらを見上げ、場違いな笑顔を見せました。

 私は別の席に移ったのですが、明らかに彼女が私のことを意識しているのが感じられました。私もできる限り彼女のほうを直視せぬよう心がけつつ、彼女の様子を敏感にうかがっていました。彼女がいつまでも割れたボトルを握り締めているのが気になりました。

 そのうち彼女は背もたれに身を任せ、足をテーブルの上に乗せ、ズボンを膝頭のあたりまで捲り上げました。その生白いふくらはぎには行く筋かの赤い筋が走り、鮮血がほとばしっていました。

 ひどい胸騒ぎを感じ、私は別の車両に移ることにしました。移った先はファーストクラスの車両で、次の車両も同様です。そこからパディントンまでの15分間、そこに座っていました。今にも彼女が私を追いかけてくるのではないかと不吉な想像がふくらみました。

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11/26/2006

パスタ

 昨日、食べ残したパスタはソースと分けて冷蔵庫にしまっておいたはずなのですが、今朝遅く起きると中華鍋のなかで5倍くらいの量に増えたパスタがソースと一緒に炒めてありました。

 今朝はSの彼氏が遊びに来る日で、リビングからは楽しそうな声が聞こえていました。パスタはSの仕業のようです。

 実は昨日までSはどうやってパスタを料理するのか知らなかったのです。以前から簡単なパスタの食べ方を教えるといっていて、昨日は一緒に料理しました。今日、彼氏が来るということでさっそく同じものを作ろうとしてみたようです。昨日の残りはどうしたのか、と尋ねると、まぜた、と言っていました。Xは朝早く出かけてしまい、いませんでした。

 Sと彼氏は昼ごろから一緒に出かけました。というわけで今日はひとりで翻訳に集中できるはずだったのですが、いまいち集中できず手間取りました。

 夕方、そろそろ夕食の準備をせねばと思っていたところにXが帰ってきました。そしてキッチンに行き、ヨーグルトをもってきて食べ始めました。

 それが夕食なの、とたずねると、ある程度、と、わけのわからない答えが返ってきました。しばらくして、夕食は食べないの、と聞くと、なにか食べる、とはいうものの、自分のPCで韓国ドラマを見て笑っているだけで、料理に立つ気配はありません。仕方がないので、私が翻訳を中断し、また料理しました。

 だからといって、私が彼女たちを教育するつもりは毛頭ないのです。それは彼女たちの彼氏か夫の仕事でしょう。

 今週分の私の翻訳はSとその彼氏が帰ってくる5秒前に完成しました。

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11/25/2006

うるさい

 Sはなにかがあると大声を上げて騒ぎます。性格的にはXはSよりは大人びた考え方をしますが、中国の大学では自治会の会長をしていただけのことはあり、声は大きくてよく響きます。

 Xは毎週土曜日にMSNメッセンジャーを使い家族と話すことにしています。結局、インターネットはリビングでしかつながらないようにしているので、Xは私が翻訳をしているテーブルの正面に座り大声で話すわけです。その話が長くて2時間たっても終わりません。

 途中でSがXを呼びました。寝室から帰ってきたXは、邪魔をしてごめん、すぐに終わるから、といい、本当に通話をやめてしまいました。どうやらSが私の翻訳の邪魔をしないよう中止してくれたようです。すぐにXは友達と会うために出かけてしまいました。

 そのあとはSがリビングに来て、メッセンジャーで話し始めました。その中国語の会話は昼食を挟み、約5時間続きました。その相手とはバースで知り合ったそうですが、むろんイギリス人の彼氏ではありません。

 途中、携帯がなり、英語の相手の時には声がとても女性らしい柔らかい調子になります。そうなるとなぜかリビングを出て、自分の寝室に行くのです。英語だと私に内容を聞かれるのが嫌なのでしょう。

 ところが、その彼氏とうまく行かないかもしれない、などという相談を始めます。その内容は、どのカップルでも経験する他愛のない内容で、そこにオリエンタルな彼女とイギリス人の彼氏という関係が多少の綾を成しています。特に興味深い話ではないのですが、無視するわけにもいかないので、神妙な顔で話を聞き、ありあわせの答えで体裁を整えます。

 Sは自分の好きな曲をかけ、自分でも歌い、その曲を好きかと私に尋ね、私にギターで弾くように命じます。その曲を弾くまで、私は自分の弾きたい曲を弾かせてもらえません。

 そしてようやく自分の好きな曲を弾こうとすると、もう夜遅いからギターは弾かないほうがいいと言われるのです。

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11/24/2006

冷たい水

毎日、本当にいろいろなことが起こります。

 今朝、大学のアカウントのメールボックスを確認し、頭から冷たい水を浴びせられたような気がしました。指導教官からのメールに、この期に及んで、論文に手を入れねばならない旨が記されていたのです。

 その件について指導教官と話し合う必要があるのですが、来週はドーハに行かねばなりません。今日は金曜なので、もしかすると今日バースに行かねばならないのではないかと思ったのですが、先生との連絡が取れません。

 そうこうするうちアジア大会の件でお世話になるエージェントからメールが届き、ドーハ行きの飛行機の予約がとれたとの知らせを受けました。出発は29日です。これならなんとか27日の月曜にバースに行けばなんとかなりそうです。

 しかしドーハに行ってしまえば論文どころではなくなるでしょう。さらに別件の翻訳の仕事も抱えているのです。正直、このふたつだけでも手一杯だと思っていたのですが、さらに仕事が増えてしまいました。

 重たい段ボール箱を重ね両腕に抱えて運んでいたところに、さらに上からもうひとつの段ボール箱を乗せられたような気分です。

 そもそも論文に手を入れる必要があるのは、提出前にリーズの仕事が入り、ろくに資料がない場所で最終稿を仕上げたことが原因と思われます。時間もあまり十分に取れませんでしたが、時間というのはくずかごのようなもので、一見したところ紙くずでいっぱいに見えても力づくで押し込めば案外まだ入るものだと思っていました。

 大学院の仕事はすべて終え、次の段階に進んでいるつもりでいたのに、後退を余儀なくされたようです。押し込めたつもりの紙くずがふくらんであふれてきたのでしょうか。

 翻訳の仕事に専念するうちに気持ちが整理され、なんとかなるような気がしてきました。とはいえ時間的に厳しいことは間違いないので、ドーハ滞在中は思い切って翻訳の仕事を減らそうかとも考えています。

 今日は夕食を用意する余裕がなかったので、近所でフィッシュ・アンド・チップスを買ってきました。イギリスの食べ物が苦手なSはがっかりした様子でした。こういうものを与えるとSは必ず中国を恋しがります。

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11/23/2006

77番地のトム

 夕方、Sがフラットに戻ってきて、今日の郵便物を確認したかどうか尋ねました。今日は一日中、部屋に閉じこもって翻訳の仕事をしていたので、玄関先にも出ていません。

 Sが言うには、変な郵便物が我々のフラット宛に届いているというのです。切手の貼られていない絵葉書は、誰かが直接、フラットの郵便受けに投げ込んだようでした。そこに書いてあったのはこのような内容です。

 75番地の1階の人へ。こんにちは。あなたのところのボイラーが夜遅くにすすり泣くような声を立てるのを止めていただけませんか。眠っているのに起こされるんです。よろしく。77番地のトムより。携帯078*********。

 Sは、ボイラーってなに、などととぼけています。うちの暖房がセントラルヒーティングで、キッチンにあるガス式のボイラーで全室の暖房をコントロールしていることなど、いちいち説明せねばなりません。

 ボイラーの騒音などまったく気にしたことがないので困惑しました。もしかすると騒音の原因となる室外機でもあるのかと思い、77番地との間を確認してみましたが家の外にはなにもなく、ボイラーを使用してもその音は聞こえません。聞こえるのはむしろ風が枯れかけた植物の葉をゆする音くらいです。

 Sに命じて、トム氏への返事を書かせました。我々に思い当たる節はない。我々のボイラーはとても静かでなんの騒音も立てない。もしかすると2階の住人のせいかもしれない。

 これが趣旨だったのですが、Sの文面には、我々のボイラーはふたつでひとつが暖房用でもうひとつが電気ポットだと書かれていました。

 夜、いつも一番遅くまで起きているXが早めに寝室に行きました。昨日は徹夜で翻訳の仕事をしていたのです。Sも寝てしまい、私はビールを取りにキッチンに行きました。

 すると確かにボイラーの音が聞こえるのです。途切れ目のない高周波です。笛の音のような焼いも屋の屋台のような音です。リビングにいればまったく聞こえない音で、今まではまったく意識することのなかった音ですが、確かにこれはうちのボイラーの音です。

 77番地のトムにはこの音がとても気になるようです。たぶん気にしだすとますます耳につくのでしょう。閑静な住宅地なので昼間はまったく気にならない音も夜になると際立つのかもしれません。

 それにしても自分の家の暖房に言いがかりをつけられるとは想像すらしていませんでした。

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11/21/2006

タイミング

 Sの勤めているエージェントがイギリスからのアジア競技大会への通訳派遣を請け負っています。今回の大会開催地はカタールのドーハです。

 Sからの紹介で私も日本語の通訳として応募していたのですが、パスポートを送ったり、電話面接を受けたりしているうちに、イギリスからの日本語通訳の派遣はないということになりました。いざというときのため、控えの通訳として登録するということになっていたのですが、活躍の機会はないだろうと思い、該当期間にいろいろな予定を組んでいました。

 中国語の通訳は何人か派遣されます。Xも応募していたのですが、メンバーからはもれてしまい、私と同様、控えの立場でした。我々はこれをもって、ドーハの悲劇と呼びならわしています。Sは通訳として参加します。

 バースのMAITの同期からは中国語コースの3名がドーハに行く予定です。Xからすれば、一緒に勉強していた3名がドーハに行くのに自分だけ置いてけぼりということで、なかなか複雑な心境のようです。

 今朝、ふと携帯電話を見ると電源が切れていました。夜中のうちにバッテリーが切れてしまったようです。充電を始めたところ、留守番電話のメッセージが入っていました。エージェントからの電話で、アジア大会に通訳を探しているので、都合を聞かせて欲しいという内容でした。

 慌ててエージェントの電話番号を調べ、こちらから連絡したところ、よほど切羽詰っていたのか、その場で採用が決まってしまい、すぐにEメールで契約書類が送られてきました。

 あとで聞いた話では、私の電話の数分後に、もっと経験のある通訳者から連絡が入ったそうですが、エージェントの担当者が私に契約書類を送付した直後であったため、その人は断られたそうです。

 もし私がエージェントに電話をかけるのが数分遅れていれば、この仕事は請けられなかったかもしれません。さらにパリに行った時期も絶妙でした。パリに行く時期が少しずれていれば、エージェントからの連絡は受けられなかったかもしれません。

 とにかく来週から2週間半ほどドーハに行くことになりました。中東には行ったことがないので楽しみです。翻訳の仕事も少しもっていかねばならないので、かなり忙しくなるかもしれません。

 パリに行っている間に修士論文の合格通知が来ていました。けれども12月13日の卒業式には出られないことになりました。前後に予定されていたパーティーなどもすべてキャンセルです。

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11/20/2006

ラピス・ラズリ

 通訳学校の先生は、実は占い師でもあります。町で不思議な店を見つけると必ず足を止め、店のなかに入ってしまいます。私自身は占いを当てにすることはないし、験を担ぐほうでもないのですが、もうどこにあったのかもはっきりしない小さな店でラピス・ラズリのペンダントを購入しました。
 ラピス・ラズリはコミュニケーションの石で、人間関係の調和を促進するそうです。さらに穏やかな睡眠を促し、湿疹などの皮膚病を癒す効果もあるとのことです。
 まさに通訳にぴったりの石です。これから毎日、身につけることにしました。
 シュアンに言わせると、女性の通訳にぴったりだそうです。もちろん私の分しか購入していません。ソフィアは、その石を三つに割れと言っています。

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パリ発21時13分

 ポンピドゥー・センターとルーブルを再訪しました。17日のルーブルはイタリア・ルネサンスを中心に見ていたので、この日はフランスとフランドルの絵画を中心に鑑賞しました。
 本当はこの日の夕方はショッピングにあてるつもりだったのですが、日曜で多くの店が早めに閉まってしまいました。
 幸いポンピドゥーは夜9時まで開館なので、前日に見逃したイヴ・クラインとロバート・ラウシェンバーグを見てきました。
 パリ発21時13分のユーロスターは満席に近い状態でした。フラットに帰ってくると一週間以上前にグリルで焼いた栗がキッチンにそのまま残っていました。

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芸術と生活

 この日、先生はお友達に会われるためブリュッセルに向かわれました。パリとブリュッセルは電車で一時間の距離です。
 私はまた美術館めぐりと町歩きでした。朝、ゆっくりとホテルを出て、ポンピドゥー・センターに足を向けました。けれども開館が11時だったので、それまでレ・アール界隈を探索しました。パリの街には、アール・ヌーボーの時代の意匠があちこちに残されており、いまだに生活のなかで機能を果たしています。
 ポンピドゥー・センターでは、イヴ・クラインとロバート・ラウシェンバーグの展覧会をやっていました。けれども私の持っていた4日間有効の美術館パスでは常設展示しか見ることができません。常設展示のテーマは「イメージの運動」で、それを見るだけでも感性の容量が飽和し、特設展は断念しました。昼食は、ひとりでワインを飲みながら牡蠣などの魚介類を食べました。
 夕方はピカソ美術館です。ピカソの彫刻作品をそのX線写真とともに展示するという企画がありました。

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河の機能

 通訳学校の先生がゆっくりパリの街を回れるのはこの日だけでした。朝、8時過ぎにホテルを出発し、1日中、ひたすら歩きました。
 最初の訪問地はモンマルトルのサクレ・クール寺院でした。19世紀に構想され、20世紀に完成した建物だけに、内部の意匠も現代的です。
 そこから次々と4つの美術館をめぐりました。時間がもったいないので、昼食は歩きながらパニーにを食べてすませました。見学したのは、ギュスターブ・モロー美術館、オランジェリー美術館、オルセー美術館、ルーブル美術館です。この日は金曜で、ルーブルは夜10時前まで開館していました。
 ルーブルはもちろんすべてを見ることはできません。先生のお供で数日前に大英博物館、ロンドン・ナショナル・ギャラリーも見学していたのですが、ルーブルはイギリスを代表する博物館、美術館をあわせてもかなわないほどの巨大さでした。
 それぞれの美術館の収蔵品をじっくり鑑賞することはできませんが、思わず声を上げそうになるほどの傑作群を収蔵する建物自体、またその建物を擁する都市自体が、一群となってひとつの作品であるかのような有機的統一感に包まれています。
 その町を縫って流れるセーヌ川はいわばパリの大動脈なのです。いうまでもなくバースのエイボン川やロンドンのテムズ川も同様の機能を果たしています。けれども都市の主要河川の果たすこの機能に思い当たったのはセーヌの河畔の風景を目の当たりにしたときでした。

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 午前10時40分、ロンドン、ウォータールー発のユーロスターに乗りパリに向かいました。着替えとパスポート以外にろくな準備をしていません。地図もガイドブックもまったく持っていません。貨幣だけは7月にブリュッセルの欧州議会を見学した際の残りが30ユーロ見つかりました。コインもあったはずですが、行方不明です。
 ウォータールーでパリの公共交通機関の5日間乗り放題チケットを入手しました。ここにパリの地下鉄やバスの路線図も着いていました。
 初日はあいにくの雨。9年前にパリを訪問した際も、初日は雨でした。セーヌ川の水面に無数の雨のあとが見えました。
 明るいうちにノートルダム大聖堂を訪れ、あまりの巨大さに圧倒されました。その後、夕闇に包まれたシャンゼリゼ通りを歩くうち、雨足が強まり、凱旋門についたときにはズボンのすそから水滴がしたたるほど重たく濡れていました。

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気まぐれにパリへ

 イギリスにお越しになっていた通訳学校の先生に付きまとううち、一緒にパリにも来てみては、という話になりました。先生がパリに立たれる前日、カーディフからバースに向かう列車のなかでのことでした。
 バースで夕食をとり、ロンドンの自宅に戻ったのは夜中の12時過ぎです。それからインターネットでユーロスターの切符を予約し、翌朝、私もパリに行くことにしたのです。
 自宅の最寄り駅からウォータールーまでは地下鉄1本です。パリの北駅までは1回の乗換えで行けるのです。その気になれば日帰りでエッフェル塔を見学してくることも十分に可能です。

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11/15/2006

明日はパリ

 唐突ですが、明日から3泊4日でパリに行きます。

 イギリスに遊びに来ていた通訳学校の先生が次はパリに行くので、それに同行させていただくのです。夜、12時を過ぎてからオンラインで明日朝10時40分のユーロスターを予約しました。

 こんなふうに気楽に外国にいけるのがヨーロッパの素敵なところです。パリに行くのは9年ぶりです。当時はまだユーロではなく、フランでした。

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11/12/2006

歩行

 今日は日本の通訳学校の先生と一緒にロンドン観光をしました。主な場所はナショナル・ギャラリーとハロッズです。

 実はハロッズに行くのは初めてでした。今までまったく興味がなかったということもあり、どう楽しめばいいのかよく分かりません。

 美術館やデパートに行くと、気づかないうちにかなりの距離を歩いているものです。先生の足の靴擦れができ、それが敗れてしまいました。この先の旅程が危ぶまれます。

 明日はひさしぶりにバースに行きます。あさってはストーンヘンジで、その次はカーディフの予定です。

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11/11/2006

南アのバンド

 今日は日本でお世話になっていた通訳学校の先生とお会いしました。先生は以前、アメリカにお住まいだったのですが、ヨーロッパは初めてということで、私がロンドン、バース等をご案内する予定です。

 イギリスといえば、食べ物に関する悪評が名高いので、私としてはお連れするお店を厳選せねばなりません。夕食は、バースの先生に教えていただいたパブに行きました。

 するとその先生と偶然にも遭遇してしまいました。最近、毎週、土曜はそのパブに通われているそうです。

 そのあとバースの先生に別のパブに連れて行っていただきました。クラブをかねているパブで、南アフリカのバンドが演奏していました。パブのなかは南アフリカ出身の客でいっぱいで、英語よりもアフリカーンスで話している人のほうが多いようでした。

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11/10/2006

他生の縁

 確か去年の今頃だったと思うのですが、バースの公立図書館の利用案内を日本人向きに翻訳しました。ボランティアの仕事で報酬はまったくもらえなかったのですが、当時はイギリスで仕事をするといってもどうしていいかまったくわからず、けれどもとにかくイギリスでなにか大学院のカリキュラム以外の通訳・翻訳をしたくて、その仕事を引き受けたのです。

 一昨日、大学のメールボックスにそのときの担当者からメールが来ていました。ほんの2行だけなのですが、日本語の翻訳をチェックして欲しいとのことでした。大学のアカウントは日本語を表示できないので、メールの本文に貼り付けてあった日本語は文字化けしていました。

 その後、日本語の表示できるアカウントでやりとりをし、どうやら翻訳ソフトでも使ったらしい奇妙な日本語を直しました。

 そのとき私の近況なども書き、一度も顔はあわせたことのない担当者に簡単な挨拶をしました。すると返信のなかでイギリスの通訳、翻訳エージェントに関する情報を教えていただきました。まさかと思う相手から思いがけない情報が入ってくるものです。

 昨日は今年バースの通訳コースで勉強中の友人2名がロンドンまで遊びに来てくれました。思い起こしてみれば、このふたりとはこのブログを通じて知り合ったのでした。そろそろマルドワインの季節なので用意していたのですが、他のものを飲むうちにマルドワインをのことをすっかり忘れてしまいました。

 最近、よく晴れて乾燥した日が続きます。この気候のせいか、空に飛行機雲が目立ちます。

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11/07/2006

壁の金魚

 日本の通訳学校でお世話になった恩師が、今週の金曜からバカンスでイギリスにお越しになるそうです。イギリスは6泊のご予定ということで、ロンドンだけというものもったいないので、バースもご案内することになりました。

 来週はひさびさのバースです。すでに郷愁すら感じる地名ですが、まだあの町を離れて2ヵ月半です。

 まだ修士論文の審査結果は出ていませんが、順調に行けば来月は卒業式です。今日は、式のための外套や帽子を予約しました。一式で40ポンドです。

 ソフィアは今週から火曜と木曜の午後はオフィスに行かなくてもいいようにしてもらったそうです。1日5ポンドの手当てだけで働いているので、割に合わないと思っているのでしょう。

 今日は、いつもよりかなり早く帰ってきて、一生懸命料理をしていました。私は手伝わなくてもいいということだったので、スープだけ作って放っておいたのですが、出来上がったのはやたら辛い料理でした。こういう味が恋しかったようです。

 ソファに座ってふと壁を見ると東洋風の絵が壁に入っていました。1ヶ月以上ここに住んでいて、初めて気づきました。

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11/05/2006

夜の眼

 イギリスのパブでは日曜にしか食べられないメニューを用意している店があります。サンデー・ローストといって、ヨークシャー・プディングなどと一緒に食べます。

 イギリスに来て1年以上経ちますが、今日、ソーホーのパブでようやくこれを食べることができました。しばらくパブにも行っていなかったような気がしてドラフトのエールもおいしく感じました。

 といってもパブに行っていなかったのは、この1週間だけです。1週間くらいパブに行かないことは別に珍しいことではなかったはずです。今日はたまたまくつろいだ気分になっていただけかもしれません。

 夜はテムズ川のほとりを散歩しました。ロンドン・アイからビッグベン、ウェストミンスター大聖堂にかけて、特に当てもなくぶらつきました。

 シュアンが私が最近撮った写真を欲しいというので、彼女のフラッシュ・メモリを受け取り、私のPCにつないだのですが、どうも動作が不安定でうまく認識されません。

 不思議に思っていると、最近、水で洗ったの、と言っていました。なぜそんなことをしたのかと尋ねると、汚かったから、との答えが返ってきました。

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11/04/2006

祭りのあと

 今朝、昨晩から泊まっていた友達が帰る前にもう次の来客がありました。またMAITの同期で、今日はランゲージ・ショーに行く予定だったらしいのですが、うちに来て話すうちにあまり行く気がなくなってきたようで、結局、昨日仕入れてきたキジを一緒に料理することになりました。

 逐次の訓練も一緒にしました。大学院の授業が終わったのは5月なので、気がつくともう半年ちかくたっています。今日のメンバーの半分は私の通訳をあまり聞いたことのない人たちだったので、緊張感がありました。

 キジのワイン煮は思いがけないおいしさでした。見た目の豪華さもさることながら、自宅のリラックスした雰囲気のなか、気心の知れた仲間と一緒にこれだけおいしいものがたべられるのは素晴らしいことです。

 値段も高くないし、今度はハトにも挑戦してみたいところです。ただし、ソフィアが嫌がる可能性が高いので、こういう料理は週末限定です。食べてみたい人は週末に来てください。

 今日はガイ・フォークス・デーのボン・ファイヤーで食事中から、花火の音が聞こえていました。

 せっかくロンドンにいるのだから、テムズに上がる花火でも見ていこうという話になりました。去年、ちょうどこの日はロンドンにいて、花火に誘われたのですが、課題に追われていて、そそくさとバースに帰った記憶があります。今日は、気まぐれに外に飛び出しました。

 途中、小さな花火はいくつか見えたものの、目的の会場についたのは22時過ぎで、すでに花火は終わっていました。公園のゴミ箱の周りにはいろいろな酒の缶やビンが散乱していました。

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11/03/2006

雉を買う

 去年に引き続き、ランゲージ・ショーに行ってきました。今年は教育関係と求人関連が別のフロアに分かれていました。必要なブースがまとまっているので、より効率的に情報収集できるようになっています。

 午後はノッティング・ヒルのポートベロー・マーケットに行きました。この通りを歩くのはもう4回目くらいになっています。この通りに結構いいパブを一見知っているのですが、一回昼食に利用しただけなので、その印象が正確なものなのかどうかを確認する機会がありません。

 マーケットで、ふとキジの肉を見つけました。キジと言えば、もちろん黍でつくった団子と引き換えに鬼との戦いのための旅路を桃太郎と共にしたあの鳥です。今までは面白いものを見つけても、なかなかゆっくり料理をする余裕はなかったし、ロンドンからわざわざ買って帰ることのできるものは限定されていました。

 しかし今ならなんでも料理できます。一度は通り過ぎた店の前にもう一度戻りました。まるごとのキジが4ポンドです。

 キジの肉はレストランで食べたことがあるような気もします。けれども自分で料理したことはありません。日本ではまるごとのキジを手に入れる機会なんてなかなかないと思います。どうやって料理すればいいのかよく分かりませんが、とりあえず買うことにしました。

 店の人が言うには、簡単だよ、鶏と一緒、とのことです。でも、赤ワインを使えばもっとおいしいよ、とのことです。

 なんでも焼けば食える、という頭でいたのですが、赤ワインを使うということは煮るのでしょうか。とりあえず、明日、料理法を調べ、このキジを晩餐に供したいと思います。ソフィアは週末バースに行っているので、なにを料理しても大丈夫です。

 今日は去年中国語コースにいたスコットランド人の友人が泊まりに来ています。彼女もランゲージ・ショーが目的でロンドンに来たようです。

 シュアンはどこかの求人に応募する書類を添削してもらっています。この英語はすごく中国人ぽい、などという指導が聞こえてきます。気になって仕方がないのですが、あまり覗き込むのも悪い気がします。

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11/02/2006

幸福の調子

 今日はシュアンが肉団子のスープを作りました。ソフィアは半分くらい食べましたが、途中で肉団子を私に渡すのです。イギリスの牛肉は中国のものと臭いが違うので食べられないそうです。

 なにが食べられるのかと訊いたところ、豚と鶏なら大丈夫、あとシーフードならなんでも、ということでした。別にソフィアのために料理をする気はないのですが、せっかく作ったものを拒絶されるとまるで自分が拒絶されたような気分になります。

 夜、好きな音楽を聴きながらスコッチを飲んでいると、ライス・ケーキを食べたくなりました。ぼくが食べているとシュアンも食べ始め、次から次へと手を伸ばすのです。シュアンは、ダイエットをしたいそうですが、私としては食べたいなら食べてくれても全然かまいません。

 するとソフィアは「食べたいものをぜんぶ食べるには人生って短いよね」と言うのです。私からすれば、牛肉も羊も人参も乳製品も食べないなら、ソフィアの人生は十分な長さにに思えるので、そう言ったのですが、まともな返事は返ってきませんでした。

 それにしてもわざわざパブに行かなくとも、自分の家でおいしい酒を飲みつつ、お気に入りの音楽だけを聴いて、友人と話せると言うのはとても幸福なことに思えます。

 シュアンにそう言ったところ、確かに私たちは「幸せ」だけど、銀行の引き落としのトラブルがなくて、就労ビザがもらえて、ちゃんと仕事があれば、もっと幸せなのよ、とのことでした。

 そうこうするうちにもシュアンは次のライス・ケーキに手を伸ばすのです。そして、友達なら私のことを考えてダイエットに協力してほしいんだけど、などと言うのです。私としては、本当はそろそろチョコ・クッキーを食べたいのですが、こうなると封を切るわけにはいきません。

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11/01/2006

子羊のシチュー

 12月に国際的なスポーツ・イベントがあり、ソフィアの勤めるエージェントがイギリスからの通訳の手配を行っています。ソフィアはまだイギリスに残っているMAITの同期生をエージェントに紹介していました。

 この時期は、MAITの同期生の大半があらゆる手を尽くして仕事を探しています。紹介の案件は、仕事を得られる可能性が高いので、ありがたいものです。

 ソフィア本人は、そのエージェントに勤めているということもあり、優先的に採用してもらえるようです。当初、無給のインターンのような待遇に不満を持っていた彼女も、今はほぼ満足しています。

 今日、ソフィアが帰ってきて、シュアンと話していました。ソフィアがエージェントに紹介した中国語コースの同期生は、シュアン以外全員が採用になったそうです。

 昨日、大きなラムの塊を買ってきたので、私はお昼ごろからふたつの鍋を使い、シチューを作っていました。先日、パブで食べたラムのシチューがとてもおいしかったので、自分でもつくりたくなったのです。ひさびさに手をかけて本格的につくりました。

 できばえはなかなかのもので、間違いなく私がイギリスでつくったシチューのなかでは一番の出来でした。けれども、ソフィアはジャガイモばかり食べて、肉は食べません。ラムの臭いが嫌いなのだそうです。人参を食べないのはいつものことです。仕方がないので缶詰のサーディンを与えました。

 シュアンはいつもなんでも食べるのですが、今日は口数も少なめでした。実は今日の午前中にも、Eメールで別の仕事の不採用通知を受け取っていたのです。シュアンは今日、1日かけて、他の仕事への応募書類を作成しています。

 夕食後、ソフィアは自分の寝室に戻り、PCを使い、中国語で誰かと話していました。寝室はインターネットの接続状況がよくないので、ふだんはリビングで話すのです。おそらく中国の自分の母親に通訳の仕事が決まったことを報告していたのだと思います。

 そのスポーツ・イベントには、ソフィアからの紹介で私も応募していました。今日、エージェントの担当者からEメールを受け取りました。クライアントからの連絡があり、日本語の通訳は不要になったとのことでした。私自身は短期の仕事が取れなかったくらいで落ち込むことはありませんが。

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